Lesson2 2時限目 日本のバイオスフィアを守っている水田

正解 C まったく起きない
水田では連作障害が起こりません。水をためることによって酸素不足になり、連作障害を引き起こす生物やきん類が生きられないためです。また、水が徐々じょじょにしみこむことによって有害な化学物質が洗い流され、連作障害を起こしにくくしています。
日本では弥生やよい時代から2,500年間、毎年お米を作り続けています。温暖な地域では二期作(1年に2回の収穫しゅうかく)も二毛作(稲刈いねかりの後に麦や野菜を収穫しゅうかく)も可能なのです。
つまり、日本という国(バイオスフィア)は、平野はせまい(30%強)ながらも水田という最も生産性の高い農地によって多くの人口を養ってきたのです。

田んぼは世界一優秀ゆうしゅうな農地!
でもおどろくのはこれからです。
田んぼは他にも、もっとすごい働きをしているのです。

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明治用水eラーニング|Meiji-Yousui e Learning

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水田の科学的特性

田には大量の水が必要です。1ha(100m×100m)の水田で年間に使う水の量は日本平均で約2万m3(25mプール約50ぱい分)と言われています。
この水は多くの場合、川から引いてきます(明治用水は矢作川から)。下の表のように川の水にはたくさんの栄養素がふくまれています。



これらの肥料分が毎日自然に供給されるわけです。さらに夏には水田の中に緑藻りょくそう類が繁殖はんしょくし有機物も供給されます。畑にはこうした働きはありません。
また、ヨーロッパなどの畑作地帯では地下水の窒素汚染ちっそおせんが問題となっており、EU(欧州おうしゅう連合)では各国に対して基準値を設けて農地への窒素ちっそ(重要な肥料)の投入を制限しています。
日本でも、水田の少ない鹿児島かごしま県や沖縄おきなわ奄美あまみ諸島では地下水の汚染おせんが問題になっています。

ところが、水田にいる生物には窒素ちっそ環境かんきょうに無害な窒素ちっそガスにもどす作用(脱窒だっちつ効果)が認められており、「定量化は難しいが、水田の脱窒だっちつ作用が日本の浄化じょうかにかなり役立っているのは間違いない(田淵たぶち俊雄としお・元東大教授)」と言われています。
日本では多くの地域で地下水が水道水として飲まれていますが(熊本くまもと市の水道は100%地下水)、これも水田のおかげかもしれませんね。
また、水田には大気中にふくまれる有毒ガス、重油などを燃やすときに発生する亜硫ありゅう酸ガス(SO2)やディーゼル車の排気はいきふくまれる二酸化窒素ちっそ(NO2)などを吸収し、無害な物質に還元かんげんするというおどろくべき働きがあるのです。

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