20世紀初頭、ロイヤル島(アメリカのミシガン湖)に渡ってきた20頭のオオジカ(ムース:草食動物)は天敵のいないこの島で繁殖を続け、12年後には約3,000頭にまで増えました。ところが、島中の草を根こそぎ食い尽くしてしまったため食料不足になり、10年後には800頭にまで減ります。そして1948年の冬、エサに飢えた16匹のオオカミが氷の張った湖を渡ってロイヤル島にたどり着きました。
さて、どうなったでしょうか?・・・あわれオオジカは絶滅!・・・と思いきや、その後はオオジカ600頭、オオカミ20頭で安定したとのこと。もっともその数は年々変わり、例えば2002年に大鹿は1,000頭、2004年には750頭。オオカミは29匹になっているそうです。
オオカミは鹿を食べつくしたら、自分たちまで絶滅することを本能的に知っているのでしょうか。
現在も閉鎖空間であるこのロイヤル島は生物圏保護区となり、科学者たちによって研究が続けられています。
※出典:金子照美著『誰もが知っているはずなのに誰も考えなかった農の話』